脳腫瘍(神経膠腫)手術後の高次脳機能障害の日々

31歳11ヶ月で左前頭葉神経膠腫の手術を経験。その後の日常を気まぐれで更新。以下URLは病気関係の本棚です。https://booklog.jp/users/cloverbk/all?category_id=3559096&status=all

術後300日後

こんにちは。

6月終わりに大学病院に行ってきました。

前日までは、化学療法(抗がん剤治療)を覚悟していました。

病院に行く時はいつも質問することをメモしておいて、それを見ながら質問します。

ちなみに前回用意していたメモはこんな感じです。

 

・化学療法をする場合、通院は可能ですか

・できることならなるべく化学療法はしたくないです。腫瘍がいまより大きくなってから手術した場合、後遺症が出る可能性はありますか

・腫瘍が大きくなる速度はどのくらいですか

・主治医になぜ腫瘍が悪性化するのかその原理を聞いたところ、遺伝子が変異するからと教えてもらいました。自分の腫瘍の検体を病理検査してもらった時に、遺伝子解析とかまでしてもらいましたか

・どうすれば遺伝子変異による腫瘍悪性化を防げますか?何に気をつければいいですか

 

手術してからしばらく経って、毎日のように夜寝る時頭痛がし、前日もバスに乗っていたら右足が痺れたのでおそらく再発したのだろうな、と思っていました。

 

結果から言うと杞憂に終わりました。

自分のブログをどの方が見ているのか分かりませんが、Twitterで知り合った方の中には、自分よりもグレードの高い方もいらっしゃいます。

なので、これから書く内容を見られたらもしかすると気分を害されるかもしれませんが、あくまでpilomixiod astrocytomaの方の参考になるようにと思って書きます。自分にできることはそれくらいなので。

先生からの回答は以下の通りでした。

 

・化学療法の必要はない

MRI検査は3〜4ヶ月に一度でよい

・同じグレード(WHOグレード2)の他の腫瘍だと2-3割悪性化する

・pilomixiod astrocytomaの場合、ほとんど悪性化しないし、まず死ぬことはない

・(5 年生存率は 83.9%,5 年無再発生存 は 66.7%という文献もあったが)5年以内に亡くなるのは先生の感覚では1割

・目に見えない取りきれていない腫瘍が残りそれが大きくなることはあるかもしれないが、そこにさえ気をつけていれば大丈夫

・昨日の足が痺れたのは、てんかん、けいれんの可能性があり、抗てんかん薬を飲んでいなかったらおそらくそれがもっとひどくなっていたかもしれない。再発ではなく、脳手術の後遺症によるもの。

・腫瘍が大きくなる速度はかなりゆっくり

・最近の頭痛はおそらく季節の変わり目によるもの

 

ということでした。

自分で調べたいくつかの論文では、どれもpilomyxoid astrocytomaはpilocytic astrocytomaよりも攻撃性が高くあまり予後はよくないということが書いてあったので、いまだに半信半疑ですが、信頼している主治医が紹介してくれた先生が言っていることなので、とりあえず安心しました。

 

先日、近藤誠先生の「医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法」の要約動画を観ました。それによると、化学療法、放射線治療を否定しているようで、CT撮影は医療被爆と言っていました。ちなみに日本はCTの数が先進国平均の約4倍だそうです。

末期がんならモルヒネを使えば苦しみもある程度コントロールできる、化学療法、放射線治療は患者のQOLを下げるみたいなことも本要約動画では言っていました。

 

 

高次脳機能障害の方は、術後300日経っても違和感があります。術前とは何か違うなという感覚があります。

高次脳機能障害の影響を感じる時」ということでその都度メモしているので、それを紹介します。(上にいくほど最近)

 

・同じ人に2つ別件で聞くことがある場合、前なら1つずつ頼んでいたが、今は自分のことしか考えられず、2つ同時にメールしてしまう。前なら電話である程度良好にコミュニケーションが取れたが、(今回の場合、1つ目の件はありがとうございました。ところで2つ目の件ですが〜)今はそれがうまくいかない。→記憶力が落ちたから?

・問題の根本を特定する力(論理的思考力)が明らかに落ちた、と感じる

・午後になると疲れてしまって、コピーした書類をそのままコピー台に忘れてしまった。

・とにかく15時とか脳が疲れやすくて何も考えられない状態

・仕事でweb会議があり、準備していたが、冷房が効いていない部屋だったので、急遽部屋を変更することになった。そこでPC、ディスプレイ、など移動させなければならなかったが、自分が次何をすれば良いか咄嗟にわからない。

・病前:今日は雨がひどいからあまり仕事にならないだろう。在宅しよう→効率重視

・術後:雨がひどくても仕事はしなくても出勤することが重要。→形式重視

・病前は「この仕組みはだめだ、これでは辛い思いをするひとがいる」と社会に対する健全な怒りを感じていたが、今は感じなくなった

・病前は、新しい研究課題のアイデアがすぐ浮かんできていたが、今は浮かばなくなった。

・長く話し合う時(1時間以上とか)、話すと話が頭に入ってこない。相手の言っている内容が理解できない

・新しい人間関係を築きにくい

・仕事の会議で以前は答えられたような質問に答えられない。周りの助けを借りなければいけない。

・昨夜ドラマの細かい内容を職場の人と話そうと思っていたことを次の日には忘れる。 

・以前は雑談ができていたが、最近は思うようにできない。人間関係が変わってしまったというのもある。

・以前はアイデアマンと呼ばれることが多く新しいアイディアはよく浮かんだが、手術後はあまり浮かばなくなった。

・以前(コロナ前)は合コンなどに行ってよく話していたが、最近は複数人の話にうまく入っていけない。

・とにかく脳が疲れやすい。以前は10時くらいまで起きてたのに8時には寝る


3月以前

・会話をするときに、何か面白いことを話そうと思って、相手にとって何が面白いかなと考えていくつか話題の候補を考えるんだけど、その時にそれが思い付かない、もしくは思いつきにくくなった

・仕事で長いメールを理解することが苦手

・話をしながら次話すことを考えることが苦手。恋愛婚活で先を読む力が低下した気がする

株式投資でIRに電話する時に聞きたいことを聞けなくなった。理解力が下がってる?

・食べながら話すことを考えることが前よりも苦手になった

・データ解析時にどういう図を作ればいいか考えることが苦手になった

・目標を立ててそれを達成するために必要なことを考え計画する力が低下した

・細かい部分の記憶力が低下している

例:漫画の細かいエピソード

・何となくやる気が出ない→薬の副作用?手術で取り除いた部分の影響?

・思いつく話題の範囲が狭くなった

 

とまあ、こんな感じです。

こうやって書き連ねると、働けないことはないけど、仕事をする上で以前より何か違和感を感じているのがわかります。

 

もう一生このままなのかなあ。

まあ前向きにがんばります。